オープンドレインついて

CPUなどの出力ポートの種類です

CMOS_out.gif
オープンドレインとは
[OpenDrain]でICの出力端子の方式のことです。
通常CMOS出力はPMOSタイプの電源側・NMOSタイプのGND側の2つのFETで出力をスイッチングして High/Low出力するが、このGND側のFETのみの出力方式のこと。
 主に大電流(といっても10mA程度)を流せるポートとして使ってLEDなどを直接ドライブしたり、マトリックススイッチのドライブ側に使ったりします。
 バイポーラトランジスタのオープンコレクタと同様の動作。
GND側のFETのドレイン出力だけなので、電流を出力することは出来ず電流を引き込む方向だけのポートです。

Q . どうして電流を出力出来ないのに便利なのでしょう?

LowACt.gif ・それは古くから使われるLow Active 動作の理解が必要です。
デジタルICの初期の TTL の時代、実は ゲートICは全て Low Active で動作していました。右図はTTLの内部回路ですが、入力回路はベースがつながっているのでなく、なんと1本のトランジスターのエミッターが複数出ているのです。動作的にはエミッターが GNDに落ちると電流が流れ、次段のベースをLowにします。ですから、TTLの入力にプラスの電圧を加えても何の意味も無いのです。これはTTLが構造上たくさんのゲートをドライブしようとした場合、電流を流し込む方式だと、例えば多くのTTLをドライブしようとした場合に出力電流が増えて、ICが発熱したり、繋ぐゲートの数によって出力電圧がドロップして動作しなくなる恐れがありました。 そのため電流を出力しない「吸い込み」方向で、High/Lowを決めようとしたのです。
この Low Activeのメリットとして、
 1. 流す電流はドライブされる側が用意するので、電流が分散できる。
 2. ドライブ側はGNDに落とすだけなので、トランジスタの電流規格
  いっぱい使える。
 3. エミッター入力にすることで、Low時にはベースエミッターに
  順方向に電圧がかかり、High時には逆バイスとなって、ベースに
  溜まった電荷を素早くOFFする効果もあり、スピードアップできる。
 4. 出力を並列に繋げても電流ショートすることがない。事故が起こり
  にくい。(オープンドレイン出力を使った場合)
逆にデメリットとしては
 1, ドライブ側のGNDを強化しないと電圧が不安定になる。
  GNDノイズが大きい、
 2. High/Lowの閾値が低くなってしまう。5V電源時に約1.2V程度
 3. High レベル時のインピーダンスが高いので、ノイズに弱い。

オープンドレインの特性

 出力に保護ダイオードなどが電源側に向けて入っていないICの場合は図のように、ここに電源電圧以上の電圧をかけてドライブすることも可能で、5V電源のシステムで12Vのリレーや複数のLEDを駆動したりする場合に有用です。OpenDrain2.png
またオープンドレインのポートを単純に並列に繋げる(ワイヤードORといいます)とどれか1つのポートがLowになってもLowとなるのでアラームラインなどにも利用されます。
この場合どのポートがLowになっているかをチェックできないので、そのような必要がある場合各ドレインに直列に抵抗を入れておき、電圧降下でチェックするなどの方法があります。

 LEDを電源から抵抗とシリーズにして接続し、ポートをLowにドライブすると点灯しますが、このときポート出力はLowなので、負論理での扱いになります。ドライブする極性を間違えないようにする必要があります。オープンドレインはLowアクティブな動作なのでFETがONしてLowになっている時はGNDとショート状態なので、インピーダンスが低いので雑音に強いのですが、OFF時はプルアップしている抵抗・デバイスに依存しますので、このオープンドレイン出力を利用して通信するI2Cバスなどでは、インピーダンスに注意が必要です。

オープンドレインの応用

OpenDrain3.gif
 主としてオープンドレインは外部デバイス駆動を目的にした場合、出力電流が比較的大きく「LED直接駆動可能」などとうたっている場合が多いです。また、ポートに出力保護ダイオードが入っていない場合は、電源電圧の+5V(+3.3V)よりも高い電圧をかけることが出来ますので、耐電圧をデーターシートで確認しましょう。
 右の図はオープンドレインの応用例です。一番上の MUTE はオーディオなどに用いられますが、FETには2SKタイプで常時ONしており、ゲートを -5VくらいかけないとOFFしないタイプなどがあります。このFETをオープンドレインで使うと、初期状態で出力OFFの回路なので、セットの電源をONする場合に比較的簡単な回路で電源ON時のノイズを消すことが出来ます。OFF時に出力を消すにはすぐゲート電圧を OFFする回路が必要です。
 次はリレー駆動回路です。リレーはトータルの電力で駆動しますので、 5Vなら 100mA 必要なリレーも、 12V仕様ならならば 40mA 程度で済みます。しかしながらマイコンのCMOSポートではHign時でも12V-5V =7Vかかりますので、OFF出来ません。CMOS出力では直接 ON/OFFできない電圧ですが、オープンドレインを使えば簡単に使えます。(マイコンのポート最大電圧をチェックすること)リレーは逆起電力でドライブするICを壊す恐れがあるので、逆電圧防止のダイオードを必ず入れます。
 AlarmOut は数個のアラームをまとめて(どれか1つでも出た時にAlarm Outしたいとき)使うのに便利です。アラーム出力ラインを延ばせば、アラーム検出個所が離れていても接続が容易です。この構成はワイアードOR といって結線状態でOR(どれかが働くと反応する)の論理出力します。正確には正常時 High アラーム時 Lowの負論理で使います。
 1Wire は1つの信号で送信と受信を兼ねることができる回路です。 I2Cバスの SDA などがこの回路になっていますが、送信が終わったら出力回路のオープンドレインをOFFすることによって、他の信号を受信することが出来るので、複数の送受信機を1つのラインに接続することが出来ます。
 オープンドレインは ON時の Lowに引っ張る電流はかなり流すことが出来、Low時のインピーダンスが低く、この状態ではノイズに強いですが、High 時にはプルアップ抵抗のインピーダンスになります。高速で負荷に浮遊容量が増えますと、ドライブできるスピードが下がりますが、プルアップ抵抗を下げることである程度防ぐことが出来ます。また最近では I2C バスの中間につけてアクティブにバスをプルアップする回路デバイスも開発されているようです。いずれにせよ、CMOS出力とはちょっと違ったオープンドレインを使いこなすと、ハード設計の可能性が広がります。


ページの先頭へ

Information

RF POWER AMPなら
Rf Amprefire Design

ZEN_AMP3U_CS.png
 RADは、高周波電力増幅器(Solid State RF Power Amplifier)や高周波コンポーネント(Passive Component)で長年培った経験による卓越した高周波技術で、お客様に貢献します。LinkIcon詳しくはこちら

Amazon

RAKUTEN

ページの先頭へ